プロジェクトの詳細
説明
2015年発表の「持続可能な開発目標(SDGs)」において、教育分野の新たな目標(SDG4)として「包摂的かつ公平で質の高い教育の普及」が謳われ、世界では教育の質向上が求められている。しかし、調査研究に様々なリスクを伴う開発途上国では、教育の質を左右する教授学習過程について克明に分析した研究は乏しい。そこで、本研究は開発途上国における教育の質を測る代表的指標とも見なされる学業達成を導く教授学習過程の実態解明に踏み込み、何がこの学業達成の重要な鍵となるのかを解明する。そして、SDG4達成に向け、教育の質向上に共通する要因と各国固有の要因の抽出に国際比較を通して取り組み、具体的な政策提言を導く。
Outline of Annual Research Achievements2019年度は、ネパール、ラオス、インドネシア、ミャンマー、ウガンダ、ボリビアを対象国として設定した。ネパールでは、2019年8月、11月、2020年1-2月の期間に、バクタプル郡にて現地調査を実施した。教育事務所および対象校を訪問し、全国統一試験結果、授業ビデオ、学習者のノート等のデータを収集した。 ラオスでは、2019年8月に現地協力者と打ち合わせを行い、教育スポーツ省の職員から協力を得ることになった。2019年12月から2020年2月にかけて数学の授業のビデオ撮影、教員に対するインタビュー調査、ノートの撮影を実施した。 インドネシアは当初2020年3月に調査実施の計画を立てていたが、2020年2月末の時点にてCOVID-19感染急拡大の影響が見られ、それに伴い訪問先の研究協力機関から現地調査の実施を延期するよう要請を受けた。そのため、繰越申請を行ったが、2020年度も感染拡大の影響が落ち着かず、外国人に対する厳しい入国制限が続いたことから、現地の研究協力者との協議の上でさらに現地調査の実施を見合わせた。最終的には、学校の授業実施の様子や関連情報の収集等を遠隔で実施した。 ミャンマーは、訪問先の研究協力機関の都合により現地調査実施が困難であったため、現地協力者の協力を得ながら遠隔でデータ収集を行い、各対象校の特徴分析を実施した。 ウガンダでは、2019年11月と2020年2月に首都カンパラとマサカ州で調査を行った。カンパラでは教育スポーツ省から教育に関する最新の基礎データを収集し、マサカ州では州教育省と公立校と私立校を訪問して全国統一試験結果と学習者のノート等のデータを収集した。 ボリビアでは、2019年9月の期間に首都ラパス、コチャバンバ、サンフアンにおいて算数授業のビデオを撮影し、国家試験結果の収集、学習者のノート等のデータを収集した。
ステータス | 終了 |
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有効開始/終了日 | 2019/04/01 → 2022/03/31 |