反応は(1)式のように進み,一酸化炭素と水素から直鎖炭化水素が生成する。直鎖炭化水素は,オクタン価がゼロであるため,ガソリンとして用いるためには,改質する必要がある。通常は,二段階反応を行う。一段目の反応器で気相FT合成し,二段階目で固体酸触媒を用い,改質反応を行う。しかし本研究で開発するコア-シェル構造を持つカプセル触媒を用いることにより,一段階で,ガソリンに相当する液体燃料の製造が可能になる。カプセル触媒を用いるFT合成反応では,合成ガスはゼオライト膜を通過し,コアのFT合成触媒に到達し,直鎖炭化水素を生成する。生成した直鎖炭化水素は粒子外へ拡散していく過程において,ゼオライトのトンネル構造及び酸触媒作用のため,異性化反応と水素化分解反応を受け,軽質イソパラフィンとなる。