カルシウム動態から見た環境変動が陸域生態系に及ぼす影響の予測

  • Kojima, Satoru (研究代表者)
  • Nakata, Makoto (研究分担者)
  • SATOH, Fuyuki (研究分担者)
  • Takeda, Hiroshi (研究分担者)
  • OIKAWA, Takeshi (研究分担者)
  • Kida, Hideji (研究分担者)
  • 福嶌, 義宏 (研究分担者)

プロジェクトの詳細

研究概要

本研究は、カルシウムが陸域生態系において供給(母材風化と降下)、溶脱、集積、流出などの過程を経て、その特性を規定する重要な機軸元素であると想定し、陸域生態系におけるカルシウム動態の様相を解明することを目的として行われた。10名の研究者が参加して、平成8〜10年度の3年間にわたり研究を行った。データ収集及び解析のための現地調査は、北海道大学農学部附属天塩地方演習林、新潟県五泉市および東蒲原郡村松町に位置する菅名岳、長野県にある筑波大学川上演習林(一部は鹿児島県屋久島)、および京都府美山町にある京都大学農学部附属芦生演習林において行われた。その結果、以下の諸点が明らかとなった。すなわち、1)北海道北部の土壌は、Ca蓄積量が少なく、リター分解によるCa循環のほか、大気降下物がCaの重要な供給源になって森林生態系が成立していること。2)川上演習林及び屋久島における研究では、植物・土壌系のCa起源について、Sr同位体をトレーサーに用いた検証手法が有効であること。3)新潟県の冷温帯林においては、地形によって植生構造や土壌発達様式が変化し、それが林内を浸透通過する降水の化学性に影響を及ぼすこと、また季節によって林内通過水の性質が大きく変化すること。4)芦生演習林においては、地形的位置の違いが植生・土壌系の分化をもたらしているが、Caがそれを最も顕著に表していること。5)芦生演習林における落葉分解実験においては、落葉中のCa濃度初期値の大きなものは分解とともに濃度が低下、逆に初期値が小さなものは分解とともに濃度が増加し、最終的にはある一定値に漸近的に収束すること、等であった。
ステータス終了
有効開始/終了日1996/01/011998/12/31

資金調達

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥5,900,000

キーワード

  • カルシウム
  • 物質循環
  • 生態系
  • 冷温帯落葉広葉樹林
  • 環境変動
  • 植生・土壌系
  • 地形的位置
  • 渓流水の化学性
  • 環境変化
  • 温帯落葉広葉樹林
  • 生態系モデル
  • 温帯落葉樹林
  • 変化予測
  • calcium
  • biogeochemistry
  • terrestrial ecosystem
  • phytogeocoenosis
  • topography
  • cool temperate forest
  • enviromnertal change
  • stream water quality