エピジェネティックな機序を介したNAD代謝による脂肪細胞分化制御機構の解明

プロジェクトの詳細

研究成果の概要

肥満の病態、脂肪細胞分化のメカニズムは代謝疾患治療において重要な分野となっている。脂肪細胞分化機序は古くから研究されているが、分化と代謝の変化との関連はこれまでほとんどわかっていなかった。本研究では、3T3-L1細胞分化に伴う代謝の変化を解析し、NAD産生亢進に伴うαケトグルタル酸の増加により脂肪細胞分化の主要制御因子であるPPARγのプロモーター領域のヒストン脱メチル化が引き起こされ、PPARγの発現を活性化するという“エピゲノムを介した代謝による分化制御機構”を初めて明らかにした。この研究成果から“代謝”や“エピゲノム”が糖尿病等の新たな治療ターゲットになる可能性が示唆された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究により脂肪細胞分化に伴う細胞内代謝の変化が、分化の単なる結果ではなく、エピゲノムを介して分化を制御していることが明らかとなった。これは、“代謝”や“エピゲノム”が肥満症や肥満に関連する代謝疾患の治療標的となりうることを示しており、当該分野における新薬開発につながる可能性がある。
ステータス終了
有効開始/終了日2018/04/012021/03/31

資金調達

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥4,290,000

キーワード

  • NAD
  • αケトグルタル酸
  • 脱メチル化
  • 脂肪細胞分化
  • 肥満症
  • エピゲノム
  • メチル化
  • 3T3-L1細胞
  • エピジェネティクス
  • ヒストン脱メチル化