非侵襲的一酸化窒素吸入療法を施行した重症新生児慢性肺疾患の一例

貢秀 長岡; 優美 牧本; 智実 猪又; 悠 齊藤; 賢太郎 田村; 裕香子 川崎; 丈俊 吉田

doi:10.34456/jjspnm.56.1_182

非侵襲的一酸化窒素吸入療法を施行した重症新生児慢性肺疾患の一例

Translated title of the contribution: Non-invasive nitric oxide inhalation therapy for severe neonatal chronic lung disease

長岡貢秀, 牧本優美, 猪又智実, 齊藤悠, 田村賢太郎, 川崎裕香子, 吉田丈俊

Research output: Contribution to journal › Article › peer-review

Abstract

　肺高血圧症（PH）を合併した重症新生児慢性肺疾患（CLD-PH）児に対し非侵襲的一酸化窒素吸入療法（non-invasive iNO）を施行した超早産児例を報告する．症例は在胎25週4日，体重836gで出生の男児．日齢59（修正34週0日）に人工呼吸器管理から離脱したが，生後7カ月と11カ月にPHが増悪したためSiPAP使用下にiNOを2回実施した．1回目の治療反応性は良好でiNOを中止できたが，2回目はiNOから離脱困難で精査の結果，気管軟化症を確認した．1歳3カ月に気管切開を行い在宅人工呼吸管理下に1歳7カ月で退院した．non-invasive iNO治療中に測定した環境のNO/NO₂濃度は，患児から40cm以上離れた場所ではほぼ検出されなかった．non-invasive iNOはCLD-PHの急性増悪時に有効で安全に実施可能であった．さらに，重症CLD-PHでは気道病変を念頭に置き早期の評価介入を検討すべきである．

Translated title of the contribution	Non-invasive nitric oxide inhalation therapy for severe neonatal chronic lung disease
Original language	Japanese
Pages (from-to)	182-187
Number of pages	6
Journal	日本周産期・新生児医学会雑誌
Volume	56
Issue number	1
DOIs	https://doi.org/10.34456/jjspnm.56.1_182
State	Published - 2020
Externally published	Yes

Access to Document

10.34456/jjspnm.56.1_182

Cite this

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keywords = "severe neonatal chronic lung disease, pulmonary hypertension, chronic lung disease associated pulmonary hypertension, non-invasive nitric oxide inhalation therapy",

author = "貢秀長岡 and 優美牧本 and 智実猪又 and 悠齊藤 and 賢太郎田村 and 裕香子川崎 and 丈俊吉田",

year = "2020",

doi = "10.34456/jjspnm.56.1_182",

language = "日本",

volume = "56",

pages = "182--187",

journal = "日本周産期・新生児医学会雑誌",

issn = "1348-964X",

publisher = "一般社団法人日本周産期・新生児医学会",

number = "1",

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TY - JOUR

T1 - 非侵襲的一酸化窒素吸入療法を施行した重症新生児慢性肺疾患の一例

AU - 長岡, 貢秀

AU - 牧本, 優美

AU - 猪又, 智実

AU - 齊藤, 悠

AU - 田村, 賢太郎

AU - 川崎, 裕香子

AU - 吉田, 丈俊

PY - 2020

Y1 - 2020

N2 - 　肺高血圧症（PH）を合併した重症新生児慢性肺疾患（CLD-PH）児に対し非侵襲的一酸化窒素吸入療法（non-invasive iNO）を施行した超早産児例を報告する．症例は在胎25週4日，体重836gで出生の男児．日齢59（修正34週0日）に人工呼吸器管理から離脱したが，生後7カ月と11カ月にPHが増悪したためSiPAP使用下にiNOを2回実施した．1回目の治療反応性は良好でiNOを中止できたが，2回目はiNOから離脱困難で精査の結果，気管軟化症を確認した．1歳3カ月に気管切開を行い在宅人工呼吸管理下に1歳7カ月で退院した．non-invasive iNO治療中に測定した環境のNO/NO2濃度は，患児から40cm以上離れた場所ではほぼ検出されなかった．non-invasive iNOはCLD-PHの急性増悪時に有効で安全に実施可能であった．さらに，重症CLD-PHでは気道病変を念頭に置き早期の評価介入を検討すべきである．

AB - 　肺高血圧症（PH）を合併した重症新生児慢性肺疾患（CLD-PH）児に対し非侵襲的一酸化窒素吸入療法（non-invasive iNO）を施行した超早産児例を報告する．症例は在胎25週4日，体重836gで出生の男児．日齢59（修正34週0日）に人工呼吸器管理から離脱したが，生後7カ月と11カ月にPHが増悪したためSiPAP使用下にiNOを2回実施した．1回目の治療反応性は良好でiNOを中止できたが，2回目はiNOから離脱困難で精査の結果，気管軟化症を確認した．1歳3カ月に気管切開を行い在宅人工呼吸管理下に1歳7カ月で退院した．non-invasive iNO治療中に測定した環境のNO/NO2濃度は，患児から40cm以上離れた場所ではほぼ検出されなかった．non-invasive iNOはCLD-PHの急性増悪時に有効で安全に実施可能であった．さらに，重症CLD-PHでは気道病変を念頭に置き早期の評価介入を検討すべきである．

KW - severe neonatal chronic lung disease

KW - pulmonary hypertension

KW - chronic lung disease associated pulmonary hypertension

KW - non-invasive nitric oxide inhalation therapy

UR - https://cir.nii.ac.jp/crid/1390566775133716864

U2 - 10.34456/jjspnm.56.1_182

DO - 10.34456/jjspnm.56.1_182

M3 - 学術論文

SN - 1348-964X

VL - 56

SP - 182

EP - 187

JO - 日本周産期・新生児医学会雑誌

JF - 日本周産期・新生児医学会雑誌

IS - 1

ER -