胎児超音波検査で脱出腸管が一塊の高輝度腫瘤影を呈した複雑型腹壁破裂

貴章 尾山; 賢太郎 田村; 貢秀 長岡; 翔太郎 杉田; 健太郎 中村; 智実 猪又; 裕香子 川﨑; 勝久 平野; 哲 米田; 丈俊 吉田

doi:10.34456/jjspnm.59.3_416

胎児超音波検査で脱出腸管が一塊の高輝度腫瘤影を呈した複雑型腹壁破裂

Translated title of the contribution: Fetal ultrasonography in complicated gastroschisis: Clumped intestine as an indicator of severe bowel injury

尾山貴章, 田村賢太郎^*, 長岡貢秀, 杉田翔太郎, 中村健太郎, 猪又智実, 川﨑裕香子, 平野勝久, 米田哲, 吉田丈俊

^*Corresponding author for this work

Toyama Primary Care

Research output: Contribution to journal › Article › peer-review

Abstract

　腹壁破裂のうち，腸管の閉鎖や穿孔を伴う複雑型は依然として予後不良である．複雑型腹壁破裂では，早期娩出が腸管予後改善に寄与する可能性があるが，娩出時期に関するコンセンサスはない．症例は複雑型腹壁破裂の男児．母体は妊娠16週に胎児腹壁破裂を指摘され，妊娠28週に脱出腸管の拡張と壁肥厚を指摘された．妊娠30週に脱出腸管が一塊の高輝度腫瘤影を呈した．妊娠32週3日に陣痛のため緊急帝王切開で出生した．出生体重1,824g．腸管は厚い被膜で塊状に癒着し，腸穿孔を伴っていた．術中所見は，多発性小腸閉鎖・穿孔であった．その後，短腸症候群を発症し，生後1歳2カ月で体重2.4kg，有効な経腸栄養はできず中心静脈栄養に依存している．腹壁破裂において，胎児超音波検査で脱出腸管が一塊の高輝度腫瘤を呈することは腸管合併症を示唆する所見と考えられ，妊娠週数や胎児well-beingを鑑みて娩出時期を検討すべきである．

Translated title of the contribution	Fetal ultrasonography in complicated gastroschisis: Clumped intestine as an indicator of severe bowel injury
Original language	Japanese
Pages (from-to)	416-420
Number of pages	5
Journal	日本周産期・新生児医学会雑誌
Volume	59
Issue number	3
DOIs	https://doi.org/10.34456/jjspnm.59.3_416
State	Published - 2023

Access to Document

10.34456/jjspnm.59.3_416

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title = "胎児超音波検査で脱出腸管が一塊の高輝度腫瘤影を呈した複雑型腹壁破裂",

abstract = "　腹壁破裂のうち，腸管の閉鎖や穿孔を伴う複雑型は依然として予後不良である．複雑型腹壁破裂では，早期娩出が腸管予後改善に寄与する可能性があるが，娩出時期に関するコンセンサスはない．症例は複雑型腹壁破裂の男児．母体は妊娠16週に胎児腹壁破裂を指摘され，妊娠28週に脱出腸管の拡張と壁肥厚を指摘された．妊娠30週に脱出腸管が一塊の高輝度腫瘤影を呈した．妊娠32週3日に陣痛のため緊急帝王切開で出生した．出生体重1,824g．腸管は厚い被膜で塊状に癒着し，腸穿孔を伴っていた．術中所見は，多発性小腸閉鎖・穿孔であった．その後，短腸症候群を発症し，生後1歳2カ月で体重2.4kg，有効な経腸栄養はできず中心静脈栄養に依存している．腹壁破裂において，胎児超音波検査で脱出腸管が一塊の高輝度腫瘤を呈することは腸管合併症を示唆する所見と考えられ，妊娠週数や胎児well-beingを鑑みて娩出時期を検討すべきである．",

keywords = "fetal ultrasonography, gastroschisis, preterm, short bowel syndrome",

author = "貴章尾山 and 賢太郎田村 and 貢秀長岡 and 翔太郎杉田 and 健太郎中村 and 智実猪又 and 裕香子川﨑 and 勝久平野 and 哲米田 and 丈俊吉田",

year = "2023",

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language = "日本",

volume = "59",

pages = "416--420",

journal = "日本周産期・新生児医学会雑誌",

issn = "1348-964X",

publisher = "一般社団法人日本周産期・新生児医学会",

number = "3",

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尾山貴章, 田村賢太郎, 長岡貢秀, 杉田翔太郎, 中村健太郎, 猪又智実 , 川﨑裕香子, 平野勝久, 米田哲 & 吉田丈俊 2023, '胎児超音波検査で脱出腸管が一塊の高輝度腫瘤影を呈した複雑型腹壁破裂', 日本周産期・新生児医学会雑誌, vol. 59, no. 3, pp. 416-420. https://doi.org/10.34456/jjspnm.59.3_416

TY - JOUR

T1 - 胎児超音波検査で脱出腸管が一塊の高輝度腫瘤影を呈した複雑型腹壁破裂

AU - 尾山, 貴章

AU - 田村, 賢太郎

AU - 長岡, 貢秀

AU - 杉田, 翔太郎

AU - 中村, 健太郎

AU - 猪又, 智実

AU - 川﨑, 裕香子

AU - 平野, 勝久

AU - 米田, 哲

AU - 吉田, 丈俊

PY - 2023

Y1 - 2023

N2 - 　腹壁破裂のうち，腸管の閉鎖や穿孔を伴う複雑型は依然として予後不良である．複雑型腹壁破裂では，早期娩出が腸管予後改善に寄与する可能性があるが，娩出時期に関するコンセンサスはない．症例は複雑型腹壁破裂の男児．母体は妊娠16週に胎児腹壁破裂を指摘され，妊娠28週に脱出腸管の拡張と壁肥厚を指摘された．妊娠30週に脱出腸管が一塊の高輝度腫瘤影を呈した．妊娠32週3日に陣痛のため緊急帝王切開で出生した．出生体重1,824g．腸管は厚い被膜で塊状に癒着し，腸穿孔を伴っていた．術中所見は，多発性小腸閉鎖・穿孔であった．その後，短腸症候群を発症し，生後1歳2カ月で体重2.4kg，有効な経腸栄養はできず中心静脈栄養に依存している．腹壁破裂において，胎児超音波検査で脱出腸管が一塊の高輝度腫瘤を呈することは腸管合併症を示唆する所見と考えられ，妊娠週数や胎児well-beingを鑑みて娩出時期を検討すべきである．

AB - 　腹壁破裂のうち，腸管の閉鎖や穿孔を伴う複雑型は依然として予後不良である．複雑型腹壁破裂では，早期娩出が腸管予後改善に寄与する可能性があるが，娩出時期に関するコンセンサスはない．症例は複雑型腹壁破裂の男児．母体は妊娠16週に胎児腹壁破裂を指摘され，妊娠28週に脱出腸管の拡張と壁肥厚を指摘された．妊娠30週に脱出腸管が一塊の高輝度腫瘤影を呈した．妊娠32週3日に陣痛のため緊急帝王切開で出生した．出生体重1,824g．腸管は厚い被膜で塊状に癒着し，腸穿孔を伴っていた．術中所見は，多発性小腸閉鎖・穿孔であった．その後，短腸症候群を発症し，生後1歳2カ月で体重2.4kg，有効な経腸栄養はできず中心静脈栄養に依存している．腹壁破裂において，胎児超音波検査で脱出腸管が一塊の高輝度腫瘤を呈することは腸管合併症を示唆する所見と考えられ，妊娠週数や胎児well-beingを鑑みて娩出時期を検討すべきである．

KW - fetal ultrasonography

KW - gastroschisis

KW - preterm

KW - short bowel syndrome

UR - https://cir.nii.ac.jp/crid/1390861383237394560

U2 - 10.34456/jjspnm.59.3_416

DO - 10.34456/jjspnm.59.3_416

M3 - 学術論文

SN - 1348-964X

VL - 59

SP - 416

EP - 420

JO - 日本周産期・新生児医学会雑誌

JF - 日本周産期・新生児医学会雑誌

IS - 3

ER -