Abstract
2010 年春期の立山・室堂平(標高2450m)における積雪試料中のイオン成分,ホルムアルデヒド(FA)および過酸化水素濃度(H2O2) の測定を行った. nssCa2+やNa+には数回の高濃度のピークがみられ, 高nssCa2+濃度層について,観測された黄砂現象日をもとに堆積期日の特定を試みた. nssCa2+と共にnssS042- も高濃度であった事例については,気塊がアジア大陸の乾燥地帯から黄海沿岸部の工業地帯上空を通過して輸送されていたものと考えられた.積雪中のFA およびH2O2 濃度は,富山県の平野部における暖候期の降水中の濃度よりも一桁低い値であった.H2O2 濃度は,積雪表層の新雪部で濃度が高く,それより下層で低濃度であった.H2O2 とFA は,積雪内での濃度変化が大きい物質であるが,H2O2 の方がより濃度低下が大きいものと考えられる.FA は人為起源イオン成分と類似した濃度分布を示した.
Translated title of the contribution | Concentrations of ionic constituents, formaldehyde and hydrogen peroxide in snow cover at Murododaira, Mt. Tateyama |
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Original language | Japanese |
Pages (from-to) | 295-305 |
Number of pages | 11 |
Journal | 雪氷 |
Volume | 73 |
Issue number | 5 |
DOIs | |
State | Published - 2011 |
Externally published | Yes |