研究ノート 代替タンパク質を支えるフードテックの現況―応用可能な技術開発、社会的認知・受容と抵抗

Research output: Contribution to journalArticle

Abstract

グロバールレベルでの人口増を背景に、「代替タンパク質(New Protein またはAlternative Protein)」の研究開発が進んでいる様子が、既に多くのメディアで報じられている。この1st世代(1st G: 1st Generation)を動物由来、2nd Gを植物由来、3rd Gを昆虫由来または微生物由来、そして4th Gがこの実験室で培養された肉(培養肉、細胞農業の動物偏)とする認識はほぼ各国で共通している 。
筆者も、いくばくか代替タンパク質の法的導入に関して研究を行っているところ、本稿では少し視点を変えて、代替タンパク質開発と導入の現況、特に3rd Gの昆虫食と4th Gである細胞農業の国際的な現状を概観したうえで(2)、それにまつわる応用可能な技術利用および販売戦略等について紹介したい(3)。その上で、こうしたパラダイム・チェンジにはいろいろな言説(ときとして「陰謀説」とも言われる)が現れることがあり、それらについても検討したい(4)。社会的認知度も受容度も上がっている反面、反発もある。後者を陰謀説とまとめて括ることは容易いが、その根底には「不安」に応えきれていない実態や、「安全性の不確実さ」「リスク対応の不十分さ」も存在するであろうし、少ないパイを取り合う切実さもあるからである。最後に、これらを踏まえて結び(5)を著したい。

Original languageJapanese
Pages (from-to)515
Number of pages520
Journal国際商事法務(IBL)
Volume51(4)
StatePublished - 2023/04/22

Cite this