森林法制の「環境法化」に関する一考察―環境公益的機能のための法的管理導入と評価

はじめに森林法制の｢環境法化｣を促す法的根拠をさぐった。次に林道開発という問題において訴訟の平面に浮かびあがってきやすいことから、環境法化の以前から現在までの判例を分析し、環境法化の特徴的なところを提示した。さらに、林地開発の許可制度等における環境法化の現状を述べた。こうした分析から、環境法化のインパクトと段階を検討した。
加えて、従前から環境配慮を具現化してきた保安林制度と、現在進められつつある(森林法のもつ自然保護法的性質の)｢進化｣との整合性、および環境公益的機能を構成する各機能間のバランスの問題を踏まえることの重要性と手法についても検討した。