Abstract
本研究は,小学校高学年における戦術・技術認識の形成過程の特徴を解明することを目的とした.分析対象は,小学校5年生のホールディングバレーボール実践である.分析方法は,授業者へのインタビュー調査および感想文の内容分析である.内容分析は,認識対象を観点とする4 つのカテゴリーを使用し,また,教師の指導方法と関連づけて攻防の観点からも実施した.結果,対象実践における戦術・技術認識の形成過程の特徴として,次の3 つのことを解明した.第1 に,注目される認識対象が変化したり,認識形成の量が変化したりしながらも,単元を通して,具体的な戦術・技術認識が形成されていた.第2 に,単元における各学習段階に応じて,特定の認識対象の記述が顕著に増加する山場や,全体の記述数が減少する落ち込みがみられた.第3 に,教師が構想した,攻防の相互発展的な指導系統が認識形成過程に影響を与えていた.
Original language | Japanese |
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Pages (from-to) | 81-94 |
Number of pages | 14 |
Journal | 日本福祉大学子ども発達学論集 = THE JOURNAL OF CHILD DEVELOPMENT |
Volume | 14 |
State | Published - 2022/01/31 |