判例解説・補助金返還履行請求に係る住民訴訟控訴事件(仙台高判平成27年7月15日)

Research output: Contribution to journalArticle

Abstract

市が高校の後援会に対して交付した補助金につき、市長に対し、地方自治法242条の2第1項3号に基づき補助金交付決定を取消して後援会に補助金相当額を不当利得として返還請求することを怠っていることの違法確認を求めるとともに、同項4号に基づき後援会に不当利得に基づく補助金相当額の支払請求をすることを求める住民訴訟が適法であるとされた事例である。本件は、市長による補助金交付決定の取消以前に当該補助金の返還請求に関して争われた、自治法242条の2第1項3号、4号に基づく住民訴訟である。取消決定がなされる前に提起された住民訴訟においては、交付の相手方に返還請求しないことが、自治法242条1項、242条の2第1項3号、4号の「財産の管理」が「怠る事実」に該当するかどうかで下級審によって判断が分かれていたところ、おそらく初の高裁判決であった。よって、本稿では、補助金返還請求に係り、論点ごとに解説した。
Original languageJapanese
Pages (from-to)22-25
Journal判例地方自治
Volume索引・解説号
StatePublished - 2017

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