Abstract
市が所有する旧堤防敷地を住民等に無償で使用させていたのは違法であるとして、市長が当該住民等に対し占有料相当額を請求するよう命じられた事例である。特に本件は、地方自治体が占有料相当額の徴収に尽力しながらも、占有者等との話し合いが継続中であるとして請求していなかった期間をさかのぼって徴収すべきであったとして違法を認定している。すなわち、本件は、地方自治体の長には、客観的に存在する債権を、理由もなく放置したり免除したりすることは許されず、債権の行使または不行使についての裁量権は与えられていないという原則を厳格に適用した事例であるといえ、地方自治体の実務に、より厳しい住民監視が注がれることとなってきたことを示している。
Original language | Japanese |
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Pages (from-to) | 85-87 |
Journal | 判例地方自治 |
Volume | 平成24年索引・解説号 |
State | Published - 2013/03 |