Abstract
2021年夏ごろ糸魚川市,金沢市および富山県舟橋村で,相次いで官製談合に関する事件が起きた。官製談合は,官側も優遇された私人もその存在を隠すものであり,内輪もめや内部告発でない限り表面化されない犯罪である。だが,一見してつつがなく滞りなく行われているとされている行政契約であっても,明るみに出ないだけで「公務員等による情報漏洩」および「官製談合」は存在すると推測される。
本稿では,「官製談合」が「公務員等による情報漏洩」に起因するのであれば,所詮は人が介することであるため「絶対に間違いを犯さない」ということは困難であると断じることはた易い。だが,「間違いを犯せない仕組み」,「違反行為が無駄になる仕組み」および「違反行為へのインセンティブがなくなる仕組み」等というものを想定することはできないか,というのをゲーム理論を用いて市場原理にもとづきく実践を試論するのが本小稿の試みである。
本稿では,「官製談合」が「公務員等による情報漏洩」に起因するのであれば,所詮は人が介することであるため「絶対に間違いを犯さない」ということは困難であると断じることはた易い。だが,「間違いを犯せない仕組み」,「違反行為が無駄になる仕組み」および「違反行為へのインセンティブがなくなる仕組み」等というものを想定することはできないか,というのをゲーム理論を用いて市場原理にもとづきく実践を試論するのが本小稿の試みである。
Original language | Japanese |
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Pages (from-to) | 359-391 |
Journal | 富山大学紀要.富大経済論集 |
State | Published - 2021/12 |