一般病棟の認知障害高齢者へ身体拘束回避で転倒を予防する熟練看護師の思考と実践のプロセス

牧野 真弓*, 加藤真由美

*Corresponding author for this work

Research output: Contribution to journalArticlepeer-review

Abstract

目的:一般病棟に入院してきた認知障害高齢者へ、身体拘束を回避して転倒を予防する熟練看護師の思考と実践のプロセスを明らかにする。方法:身体拘束を回避した転倒予防に努める経験年数10年以上の看護師18名を対象に、半構造化面接を実施し、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ法で分析した。結果:熟練看護師は、患者に認知障害があると判断すると、まずBehavioral and Psychological Symptomsof Dementia(BPSD)を予防するために【認知症ケアモードへ切り替え】を行う。その上で、【説得せず納得を目指した信頼形成】を目指すために、出来る限りの転倒予防策を投入して【拘束フリーで見極め】を行う。さらに、患者の【"どうしたい"の解読】を行って欲求へ徹底対応する。並行して【居心地の良い環境マネジメント】を展開し、安心して安全に活動できる環境を整えるという思考と実践のプロセスが見出された。結論:認知障害高齢者へ身体拘束を回避した転倒予防を行うには、パーソン・センタード・ケアの理念に基づく安心できるケアの提供と、患者の納得を目指して信頼を形成していくことが重要であると示唆された。
Original languageJapanese
Pages (from-to)48
Number of pages58
Journal看護実践学会誌
Volume31(2)
StatePublished - 2019/03/25

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