Project Details
Abstract
1.摂食行動に対する酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)フラグメントの作用:aFGFフラグメントを第3脳室に投与したところ、N端のaFGF(1-15)は摂食を有意、かつ用量依存性に抑制したが、C端のaFGF(114-140)は無効で、aFGF(1-15)の摂食抑制に対する効力はaFGFの1/150であった。したがって、aFGFの活性部位はN端にあると考えられる。 2.aFGFの脾臓交感神経活動に対する作用:aFGFを第3脳室に投与したところ、aFGFは脾臓支配交感神経の活動を促進した。また、aFGFの静脈内投与も同様の効果をもつことが明らかになった。脾臓支配交感神経の活動上昇は、抗原認識を必要としないで腫瘍細胞などを攻撃するナチュラルキラー細胞の活性を抑制することが知られているので、aFGFは自律神経系を介して免疫系にも作用すると考えられる。 3.aFGFの学習に対する効果:aFGFのモリス水迷路学習に対する効果を前年度に引き続き検討したところ、トランスファーテストにおいてもaFGFが学習、記憶を有意に促進するという結果を得た。 4.海馬のpaired-pulse facilitation及び長期増強に対するaFGFの作用:海馬CA1領域錐体細胞への入力を2発刺激後、CA1領域で記録されるポピュレーションスパイクのpaired-pulse facilitation並びにテタヌス刺激後の長期増強に対するaFGFの作用を検討したところ、aFGFはpaired-pulse facilitationを促進し、さらに長期増強の誘導を促進することが判明した。本結果は、aFGFがシナプス前及びシナプス後機構の両方に作用している可能性を示す。
Status | Finished |
---|---|
Effective start/end date | 1990/01/01 → 1992/12/31 |
Funding
- Japan Society for the Promotion of Science: ¥6,700,000.00
Keywords
- 線維芽細胞成長因子
- 摂食
- 交感神経
- 迷路学習
- 海馬
- 長期増強
- 学習・記憶
- グルコ-スセンサ-
- 線維芽細胞生長因子
- 虚血
- 免疫組織化学
- 遺伝子工学