神経回路網の成熟過程におけるアクティブ・ゾーンの役割の解明

  • 大塚稔久 (Principal Investigator)

Project Details

Abstract

本年度は、CASTノックアウトマウスの生化学的および電気生理学的解析を行った。CASTの発現はノックアウトマウスでは完全に消失していたが、CAST結合蛋白質であるBassoon, Munc13-1, RIM1の発現量は変化していなかった。一方電気生理学的には神経伝達が著明に障害されており、CASTが前シナプスにおいて機能的な役割を担っていると考えられる。さらに、アクティブゾーンに存在するセリンスレオニンリン酸化酵素SADがCASTをリン酸化することを見出した。リン酸化部位に対する特異抗体を作製し、ウエスタンブロット法にて解析したところ、CASTはマウス脳でもリン酸化されており、そのリン酸化の程度は生後直後にピークが見られ、以後減少していくことが明らかとなった。また、アクリン酸化されたCASTはティブゾーンにも強く結合していることが示された。今後、さらに詳細な電気生理学的データを蓄積するとともに、リン酸化の生理的意義を明らかにすることによって、神経ネットワーク形成におけるCASTの役割、すなわちアクティブゾーンの役割を解明できると期待される。
StatusFinished
Effective start/end date2006/01/012007/12/31

Funding

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥6,800,000.00

Keywords

  • シナプス
  • アクティブゾーン
  • CAST
  • SAD
  • リン酸化
  • 神経回路
  • 神経伝達物質
  • シナプス小胞
  • ELKS
  • ノックアウトマウス