Project Details
Abstract
S-アルコキシチアザインは水を多く含む稀薄溶液中で速やかに加水分解して対応するアルコールとS,S-ジフェニルスルホキシイミンを与えた。^<18>Oトレーサー実験、及び反応速度がチアザインと水素イオン濃度に1次であること、1級アルキル基の構造による変化は少ないがイソプロピル誘導体1dが1aの1090倍も速いこと、ネオペントキシ誘導体1fの反応では3-メチル-2-ブタノールが得られたことから1d,1fはS_N1で進んでいるものと考えられる。さらに1cを用いてハメットのrho値-0.42が得られたことから、反応は前段のプロトン化の速い平衡に続きS_N1又はS_N2でスルホキシイミンとアルキル基が切れるところが律速であると考えられ、1fのpH-rete profilcからpKaとして5.02という値が得られた。このようにアルコキシチアザインは非常に弱い酸によっても触媒され穏やかな条件でS_N1が起こるほどスルホキシイミンの部分が非常に良い脱離基であることが分かった。
Status | Finished |
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Effective start/end date | 1997/01/01 → 1997/12/31 |
Funding
- Japan Society for the Promotion of Science: ¥2,000,000.00
Keywords
- チアザイン
- X線構造解析
- スルホキシイミン
- 分子内脱離
- 反応速度論
- 加水分解
- pKa
- S_N1