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Outline of Research at the Start
本研究は、西洋古代末期の思想において「女性」ないし「女性性」の概念が、いかなる思考過程を経て形成されたかを分析し、その概念が、後世の性差をめぐる理解に影響力をもつに至った経緯と、その実態を解明する。特に、キリスト教教父アウグスティヌスの思想において、その概念が人間の心性概念と結びつき、複層的なものとして理解されている点に注目する。そしてこの固有の理解が、他の教父らによる聖書解釈との影響関係の中でどのように形成され展開したかを精査することにより、現代にまで影響を及ぼすに至るその人間観の実態を解明する。それにより、性差をめぐる理解の思想史を捉え直し、性に関する現代的問題に示唆を与えることを目指す。
Status | Finished |
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Effective start/end date | 2019/04/01 → 2025/03/31 |
Funding
- Japan Society for the Promotion of Science: ¥3,380,000.00
Keywords
- 古代末期
- アウグスティヌス
- 女性
- 聖書解釈
- 教父
- キリスト教