Project Details
Abstract
わが国の再野生化家畜については,南西諸島と小笠原諸島を主な調査地とした。わが国のおもな再野生化家畜はヤギで,南西諸島の場合,自然繁殖にまかされる放牧がヤギの野生化と関連してきた。当地でのヤギ飼育の記録は15世紀にさかのぼれるが,free ranging型式の放牧下で,一時的あるいは長期的に管理がゆるくなった場合や飼育の放棄によってヤギが再野生化してきた。しかし,これらのヤギは状況次第で捕獲され,再飼育されることもめずらしくなかった。これは,伊平屋島,粟国島,座間味諸島などの小島群でみられ,これらの地域では家畜と再野生化家畜を連続体として動態的に把握する必要があることが指摘できた。一方,西表島や小笠原諸島(1830年にはすでに生息)のようにその後国立公園指定を受けた地域では,国有地利用が規制されるためヤギの管理は公園にゆだねられ,在来の生態系の保護上それらの駆除が進められている。その他,わが国ではブタやウシの再野生化がみられる。
Status | Finished |
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Effective start/end date | 1989/01/01 → 1989/12/31 |
Funding
- Japan Society for the Promotion of Science: ¥800,000.00
Keywords
- 家畜
- 再野生化
- 再野生化家畜
- free ranging
- 解き放ち
- 管理
- 南西諸島
- 小笠原諸島