フリーラジカルを介した光フェントン試薬による新しい非特異的脳局所部位破壊法

  • 佐々木, 和男 (Principal Investigator)
  • 塚田, 章 (Co-Investigator(Kenkyū-buntansha))
  • 松郷, 誠一 (Co-Investigator(Kenkyū-buntansha))

Project Details

Abstract

神経細胞のモデル細胞であるPC-12D細胞培養液中に光フェントン試薬(NP-III)を混ぜ、紫外線を照射してヒドロキシラジカルを発生させると、その後24時間の培養中有意に生細胞数は減少する。減少の程度は1μMのNP-IIIを30分間取り込ませ、2分間紫外線を照射した条件下で約40%である。なお、生細胞の染色はトリパンブルーにより行った。このようなラジカルによる細胞死を逆に防ぐ抗酸化作用につき、カルニチン、アセチルカルニチン、リポ酸及びアスコルビン酸を用いて検討した。1.カルニチンの作用:カルニチンをNP-IIIと同時にそれぞれ25、50、75、100μMの濃度で培養液中に混ぜたが、いずれの濃度でも対照と比べ生細胞数に変化はなかった。2.アセチルカルニチンの作用:アセチルカルニチンをNP-IIIと同時にそれぞれ25、50、75、100μMの濃度で培養液中に混ぜたところ、対照と比べ50μMの濃度で生細胞の数は有意に増加(すなわち減少の程度は約20%)した。このことからアセチルカルニチンには抗酸化作用のあることが明らかになった。3.リポ酸及びアスコルビン酸の作用:リポ酸(5、10、25、50μM)及びアスコルビン酸(2.5、5、7.5、10μM)は強力な抗酸化物質であるが、この系ではいずれの濃度でも抗酸化作用を示さなかった。4.生及び死細胞の可視化:生細胞及び死細胞を可視化するためにHoechst33342(生細胞、緑)とPerodium Iodide(死細胞、赤)で染色したところ、アセチルカルニチン投与の場合、死細胞(赤)が減少していることが容易に検出できた。
StatusFinished
Effective start/end date1998/01/012000/12/31

Funding

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥2,100,000.00

Keywords

  • フリーラジカル
  • 紫外線
  • 脳破壊
  • フェントン試薬