ビザンツ帝国における属州統治と民族問題

  • 根津, 由喜夫 (Principal Investigator)

Project Details

Abstract

(4)世紀中葉から後半にかけて、アルメニア・グルジア系遺族が属州総督職の大半を占めるようになる.現地情勢に精通した彼らは、中央政府にとって重宝な存在だったが、反面、分離主義的傾向を示す場合もあった.そうした危険性を知りながらも政府が彼らへの依存を強めた背景には、コンスタンティノ-プル一極集中体制の下での、中央政府の属州に対する相対的な関心の低下、政権担当者の内向きの心理が作用したものと思われる.こうした状況のなかで、小アジアへのトルコ人の本格的な侵攻が開始されるや、ビザンツ帝国は有効な対抗手段もとれぬままに、またたく間にアナトリアの支配権を喪失することになるのである.
StatusFinished
Effective start/end date1994/01/011994/12/31

Funding

  • Japan Society for the Promotion of Science: ¥900,000.00

Keywords

  • ビザンツ帝国
  • 属州統治
  • アルメニア人
  • プロソポグラフィー