Project Details
Abstract
ニンジン幼植物体からクローニングした単量体型GTP結合タンパク遺伝子arf-001の発現の特異性を解析するためRT-PCRを行ったところ、植物ホルモンであるエチレン処理によって転写活性の一過性の上昇が認められた。この遺伝子の生理的機能の解析と物質生産への応用を検討する目的で、発現ベクターであるpBCR82のCMV35Sプロモーターの下流に翻訳領域を根組織の分化を誘導するrol遺伝子クラスターとともに組み込み、ベラドンナに導入して形質転換体を作製した。得られた組み換え体を毛状根の液体培養として確立し、RT-PCRとサザン解析によってarf-001遺伝子の発現を確認した。データベースよりarf-001がADP-リボシル化因子をコードしていることが示唆されたことから、この遺伝子産物が細胞外機能タンパクの分泌に寄与する可能性を想定し、組み換え毛状根の培地中に放出されるタンパク量を経時的に測定した。その結果、empty vectorのみを導入したコントロールでは細胞外タンパク量が低いレベルに維持されていたのに対し、形質転換体においては培養6日目をピークとした顕著な分泌活性の上昇が観察された。これはADP-リボシル化因子がゴルジ体における輸送ベシクルの形成に関与することに合致した現象と考えられる。また今回得られた結果の応用として、植物細胞を有用物質生産のチャンバーとして利用する場合に、目的遺伝子とともにarf-001をco-expressionさせることで標的生成物の回収・精製に極めて有利な形質が付与されるものと思われる。
Status | Finished |
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Effective start/end date | 2005/01/01 → 2006/12/31 |
Funding
- Japan Society for the Promotion of Science: ¥3,100,000.00
Keywords
- 遺伝子導入植物
- 植物二次代謝能
- カルシウムカスケード
- 高生産性植物
- 遺伝子クローニング
- カルモジュリン
- GTP結合タンパク質
- 組み換えタンパク質
- 細胞内情報伝達機構
- チャンネルブロッカー