磁気特性測定システム

    Equipment/facility: Equipment

    Equipments Details

    Description

    磁性体はその周囲に磁界を発生させます。磁性体の横に検出コイルを置くと、磁界がコイルを貫きます。磁性体が静止しているとコイルは何も変化がありませんが、磁性体が運動をはじめると磁界は変化し、コイルを貫いている磁束が時間変化します。するとレンツの法則によりコイルに電圧が生じます。この電圧は極めて極小のものですが、この電圧を感度よく測定する工夫が、磁束の量子現象を応用した超伝導量子干渉計(superconducting quantum interference device、SQUID)という素子の利用です。実際には、逆向きに巻かれた2個の検出コイルを試料を通過させて、その際に誘導される電圧を積分します。その積分値が磁化に比例します。
     固体の一辺が2mm程度の立方体の形状であれば、基本的に、磁化が測定できます。温度、磁場の大きさによって、磁化の大きさが2emuを超えると試料が大きすぎるということになります。試料の大きさを小さくしたり、磁場を小さくしたり、工夫する必要があります。磁性体であれば、普通、1mm×1mm×1mm以下の大きさの試料でも感度よく磁化を測定できます。粉末試料の場合は、試料容器に入れて容器ごと測定します。粉末をパラフィン等で固定したほうがよい場合があります。
     高感度の測定装置ですので、簡単に高制度のデータが得られる反面、操作には最大の注意が必要です。特に、測定試料の角をちょっと欠けたとか、粉末試料をちょっとこぼした等により、測定試料空間を汚してしまうと、致命的なことになります。そのわずかな汚染物質により、その後のデータは全て信頼性のないものになってしまいます。
     また、液体ヘリウムと液体窒素を使用しますので、高圧ガス取り扱いの注意が必要です。当然、極低温による事故がないように十分注意する必要があります。液体ヘリウムと液体窒素の取り扱いは、この装置の協力教官が扱います。
     この装置では超伝導磁石を使用して7テスラの強磁場を発生させますので、デュワーの周りへの漏れ磁場が少なくありません。もれ磁場に対しても、事故のないように十分注意をしなければなりません。

    Details

    Name磁気特性測定計MPMS-7
    Acquisition date1995/01/01